――数分後


決勝戦が、始まった。


さすがにここまで勝ち残るだけあって両チーム強い。

どちらが優勝してもおかしくないくらいの接戦だ。


アイツは……まだ出てこない。

後半戦のメンバーなのだろうか。


「相手チーム、バスケ部多いね」

「ずるくない?」


クラスメイトの女子がそんなことを言っている。

たしかに、少しおされ気味だ。


さっきまで点差なかったのに開いてきた。


と、ここでホイッスルが鳴らされ

交代で出てきたのは、


――闇雲愛だ。