やっぱりコイツと話してると頭がおかしくなる。


……だけど。


「梁ちゃん」


ふと、思うときがある。

コイツは仮にも秀才男だ。


――どこまでが本当の、闇雲愛なの?


もしかしたら、コイツは

本当のコイツは


あの日、あたしに見せてくれた

紳士的な一面もちゃんとあるんじゃって


それを隠してるのなって


「鏡、見たことある?」

「は?……そりゃ、あるよ。鏡くらい」

「ねぇ。疑問に思わない?」

「なにを」

「どうしてそんなに可愛いのか。周りの子よりも、ずっと自分が可愛いのか。可愛すぎることに疑問はない?」