それは、想像できたことで。
意外でもなんでもない答えで。
だけど、聞くんじゃなかった。
「泣いてるの?」
「誰が泣くか……」
やばい。
言葉とは裏腹に、今にも溢れおちそう。
「ジョークだよ」
「は……なに、嘘、ついたの?」
「悲しかった? 梁ちゃん」
「っ、バカ」
「ごめん」
「バカ。許さない」
「許して」
「やだ。許さな……」
言葉を遮られるように、キスで口を塞がれた
「なにすんのっ……」
「お仕置き」
「っ、」
――長い。
「それじゃ、戻ろうか。梁ちゃん」
やっと解放されたというのに、
「……うん」
どういうわけか、
キケンな香りさえ漂う彼と
ホントはもう少し
2人だけでいたかっただなんてことは……
「梁ちゃん? どうかした?」
「なんでもない」
とてもじゃないが、言えなかったんだ。