「梁ちゃんのこの可愛い手を握られたって思うとやっぱり嫌だな」
「ごめんって」
「……許さないよ」
「は?」
――!!
「こらっ……」
指先を、舐められる。
「汚いよ、バカ」
てか、くすぐったいし。
やめろ、この、ヘンタイ。
「消毒」
指先から、
愛の嫉妬と愛情が痛いくらいに伝わってくる。
「やめてよ……」
「嫌だったらもうしないって約束して」
「え?」
「お願い。触られないで。あんな風に」
「す、する。するから!」
「ほんと?」
「ほんと!!」
「そう」
「……愛って、」
「なに?」
「あたし以外にしたことあるの?」
「なにを」
「こんなこととか……キスとか」
なに聞いてるんだろ、あたし。
「うん」
――!!
「そっか。そうだよね」