「ピザとポテト、それからストロベリーアイス追加でお願いしまーす」


大きな音の鳴る部屋で、電話口に向かって注文するクラスメイト女子。

慣れた様子からよくこういう場所に訪れているのが明白だ。


――ここは、駅前のカラオケ屋。


舞台『ロミオとジュリエット』で入賞を果たしたあたしたち1年A組に、金一封が出た。


……その額は、担任の先生のみぞ知る。


まあ、細かいことは気にしてはいけない。


惜しくも最優秀賞は逃したが2番目の賞を獲得できたあたしたち。


それを祝うように先生含めクラスメイト一同でカラオケにやって来た。