右手をさしだす。 「……好きにすれば」 花澤くんは、背を向けて行ってしまった。 なんだろう。すごくツンツンした子だ。 ……って、あたしがいうのもなんだけど。 握手してくれなかったな。 「うわっ!?」 部屋に戻ると、どんよりとした愛がそこにいた。 ベッドの上で三角座りをしている。 キノコでも生えていそうだ。 「ど、どうしたの愛」 「梁ちゃんがボクを置いて未兎を追いかけた」 「は?」 「ボクでなく、あいつを選んだ」