美しい髪。美しい肌。美しい輪郭。そしてその中にある、美しい目。
彼女以外に“絶世の美女”という言葉が似合う人間を、僕は見たことがない。特に、目。この世のものとは思えないほど美しいその目が、愛しくてたまらない。
その目が、欲しい。
「そんなところで何をぼさっとしているのです」
冷たい声が耳に届き、はっとする。目の前には僕の愛しいお嬢様……シノン様が、凛とした佇まいで僕を見上げていた。
今年で齢16歳になる璃華(りか)様。決して身長が低い訳では無いが、僕の背が高いせいで彼女は僕を見る際、ほぼ毎回見上げることになる。
目線を上にあげ、声を出すために口を動かす。それだけの動作を見るだけでも、僕にとっては至福だった。
「申し訳ありません、少々考え事を。それよりもお嬢様、本日はご予定等ないのですか?」
「あら、どうして?」
首を傾げる。ああ可愛らしい。
「普段であれば、そろそろお着替えをなさっている頃かと」
璃華様はネグリジェの姿のままだった。現在時刻は午前8時。いつだって早寝早起きの彼女は、7時には着替えを済ませているはずだ。
「慧眼ね、褒めてあげます。そうよ今日は予定なし。だから今日のあたしは“ヒキニート”ってやつよ」
思わずむせる。璃華様は不思議そうに僕の顔をのぞき込む。やはりその目が1番美しい。
「どうしたのよ」
「いえ、そんなお言葉どこで覚えていらしたのかと……」
「ああ、ヒキニートのこと?そのくらいあたしでなくても真面目ちゃんだってわかります。それはそうと、そう。今日はお家にこもるから、貴方に遊び相手をお願いしたいのよ」
手をぽん、と合わせてにっこりと微笑む。
「遊び相手、でしょうか?」
「ええそうよ。たまにはいいでしょう。今日の貴方の仕事はもう他のものに引き継いであるわ。さあ行きましょう」
目をキラキラとさせながら僕の手を引く璃華様。小さな御手もなびく黒髪も美しいが、やはり目には敵わない。ああ、その目が僕のものになれば……
彼女以外に“絶世の美女”という言葉が似合う人間を、僕は見たことがない。特に、目。この世のものとは思えないほど美しいその目が、愛しくてたまらない。
その目が、欲しい。
「そんなところで何をぼさっとしているのです」
冷たい声が耳に届き、はっとする。目の前には僕の愛しいお嬢様……シノン様が、凛とした佇まいで僕を見上げていた。
今年で齢16歳になる璃華(りか)様。決して身長が低い訳では無いが、僕の背が高いせいで彼女は僕を見る際、ほぼ毎回見上げることになる。
目線を上にあげ、声を出すために口を動かす。それだけの動作を見るだけでも、僕にとっては至福だった。
「申し訳ありません、少々考え事を。それよりもお嬢様、本日はご予定等ないのですか?」
「あら、どうして?」
首を傾げる。ああ可愛らしい。
「普段であれば、そろそろお着替えをなさっている頃かと」
璃華様はネグリジェの姿のままだった。現在時刻は午前8時。いつだって早寝早起きの彼女は、7時には着替えを済ませているはずだ。
「慧眼ね、褒めてあげます。そうよ今日は予定なし。だから今日のあたしは“ヒキニート”ってやつよ」
思わずむせる。璃華様は不思議そうに僕の顔をのぞき込む。やはりその目が1番美しい。
「どうしたのよ」
「いえ、そんなお言葉どこで覚えていらしたのかと……」
「ああ、ヒキニートのこと?そのくらいあたしでなくても真面目ちゃんだってわかります。それはそうと、そう。今日はお家にこもるから、貴方に遊び相手をお願いしたいのよ」
手をぽん、と合わせてにっこりと微笑む。
「遊び相手、でしょうか?」
「ええそうよ。たまにはいいでしょう。今日の貴方の仕事はもう他のものに引き継いであるわ。さあ行きましょう」
目をキラキラとさせながら僕の手を引く璃華様。小さな御手もなびく黒髪も美しいが、やはり目には敵わない。ああ、その目が僕のものになれば……