15歳、今この瞬間を

ゴールしてすぐに駆け寄ってきたのは小野さんで、その目は潤んでいた。

「…小野さん、ごめんね」

順位になんかこだわっていなかったのに、なんでかな、無性に悔しかった。

「謝るのはわたしの方だよ。わたし、焦っちゃって全然だめだったもん…」

小野さんはしゅんとしながら「ごめんね」と言った。


クラスの応援席に戻ると、佐久田くんが笑顔で迎えてくれた。

「夢希すごかったな!小野さんがコケなきゃ1位だったんじゃね?」

「ロウそれ言いすぎー(笑)」

嫌味のない佐久田くんの言葉にどっと笑いが起こって、小野さんが「えへへ」と笑った。

「ホント、わたしが転ばなきゃ1位だったね」

そう言いながらも、小野さんはもう引きずってはいないみたいで、笑顔は明るかった。


パチ…

パチパチ…

「え……」

パチパチパチ……!

どこからともなく聞こえてきた拍手が、どんどん大きくなる。