15歳、今この瞬間を

午後になるとますます日射しが強くなり、あたしはしっかりと水分補給をしてから競技に向かった。

「夢希ちゃん、頑張ろうねっ!」

「…」

スタンバってる最中、後ろから小野さんが話しかけてきた。

「教えてもらった通り頑張るから!」

次は縄跳びリレー、小野さんは笑顔でグーの手を強く握りしめていた。

前の競技が終わり、あたしたちはいよいよグラウンドの真ん中に移動した。

縄跳びがバトン代わりのこのリレー、前半男子4人後半女子4人、それぞれがトラック半周ずつ縄跳びをしながら走るのがルール。

競技が始まり、2人目3人目と縄が渡されていった。

あたしのクラスは男子が4人走り終わった時点で6人中3位、後半の女子が走り出した。

そして少しずつ追いついてきてとうとう2位に並んだところで縄は小野さんへ…。

「……」

でもすぐに3位に下がってしまったことで、明らかに小野さんは焦っていた。

「あっ‼︎」