15歳、今この瞬間を

「夢希ちゃん!一緒にお昼食べない?」

「…」

お昼休みの時間、教室の自分の席で一息ついていたら、小野さんがほわほわした笑顔でやって来た。

普段は給食だから自分の席で食べるけど、今日はお弁当だから自由で、あたしはいつも通り自分の席で食べようと思っていたのに。

「だーめ。夢希はオレと食べるの」

「佐久田くんは隣の席でいつも一緒なんだから、たまには譲ってよ」

なぜか佐久田くんと小野さんで、あたしの取り合い(?)が始まった。

あたしは、誰とも一緒に食べるつもりないんだけど。

「せっかく夢希に女子の友達ができたんだから、小野さんに譲ってやれば?」

「イケメンくんのリョウには関係ないだろー」

「おいおいロウ、おまえまだ拗ねてんのかよ(笑)」

「拗ねてなんかねーよ」

「まぁまぁ。それじゃあ、みんなで一緒にお弁当食べよ?」

小野さんが、楽しそうに笑いながら提案した。

仕方ない流れに逆らえなくて、あたしはそのまま小野さんたちとお弁当を食べた。