「夢希の母さんって、やっぱおもしれーな!」
見上げた佐久田くんは笑顔で、あたたかな太陽の匂いがしたーーー。
「そうかな」
あたしは顔をしかめた。
「そんな顔するなって(笑)。ま、夢希の事情は置いといて、少なくともオレには明るく楽しいお母さんに見えるけど?」
「……」
夢希の事情ーーーか。
佐久田くんは、まるで、これまでのあたしを見てきたかのような言い方をしていたけど、それが的外れでないから、あたしは何も言えなくなった。
しかめっ面は、まだ直らなかった。
あたしたちが割り当てられた仕事のひとつは、"玉入れ〜逃げるカゴ〜"という2年生の競技のカゴ係で、背中にカゴを背負って走り回るというものだった。
あたしの出る競技もそうだけど、この学校は何で変わった競技ばかりなんだ。
フツーに徒競走とかやればいいのに。
だいたいカゴだけでも結構な重さなんだから、女子に背負わせないでほしかったよ。
見上げた佐久田くんは笑顔で、あたたかな太陽の匂いがしたーーー。
「そうかな」
あたしは顔をしかめた。
「そんな顔するなって(笑)。ま、夢希の事情は置いといて、少なくともオレには明るく楽しいお母さんに見えるけど?」
「……」
夢希の事情ーーーか。
佐久田くんは、まるで、これまでのあたしを見てきたかのような言い方をしていたけど、それが的外れでないから、あたしは何も言えなくなった。
しかめっ面は、まだ直らなかった。
あたしたちが割り当てられた仕事のひとつは、"玉入れ〜逃げるカゴ〜"という2年生の競技のカゴ係で、背中にカゴを背負って走り回るというものだった。
あたしの出る競技もそうだけど、この学校は何で変わった競技ばかりなんだ。
フツーに徒競走とかやればいいのに。
だいたいカゴだけでも結構な重さなんだから、女子に背負わせないでほしかったよ。



