「お母さん…別に来なくても良かったのに」
ほわほわした声の主は、お母さんだった。
「そんなこと言わないの〜」
中学生の体育祭ともなると、親が見にくる率はかなり下がるハズなんだけど……お気楽主婦のお母さんは、数少ない見に来る親のひとりだった。
「おい夢希、なにやってん…あ!夢希の母さんじゃん!」
「あら、……えーと…、確か、菊谷くんじゃない方の子ね!おはよう」
笑顔で、ぽんと手のひらを合わせたお母さん……かなり失礼な発言だよ。
「あはは!間違ってねーけど、オレは佐久田ね。さ・く・た!おはようございます!」
そう言って佐久田くんは、お母さんに元気良く挨拶をしていた。
「そうだったわね〜。じゃあ2人とも、頑張ってね!」
お母さんは、ご機嫌で手を振っていた。
お母さんのせいで、佐久田くんが気を悪くしてなければいいけど……。
「夢希」
「…え?」
名前を呼ばれて、一瞬どきりとしたあたしだったけど、
ほわほわした声の主は、お母さんだった。
「そんなこと言わないの〜」
中学生の体育祭ともなると、親が見にくる率はかなり下がるハズなんだけど……お気楽主婦のお母さんは、数少ない見に来る親のひとりだった。
「おい夢希、なにやってん…あ!夢希の母さんじゃん!」
「あら、……えーと…、確か、菊谷くんじゃない方の子ね!おはよう」
笑顔で、ぽんと手のひらを合わせたお母さん……かなり失礼な発言だよ。
「あはは!間違ってねーけど、オレは佐久田ね。さ・く・た!おはようございます!」
そう言って佐久田くんは、お母さんに元気良く挨拶をしていた。
「そうだったわね〜。じゃあ2人とも、頑張ってね!」
お母さんは、ご機嫌で手を振っていた。
お母さんのせいで、佐久田くんが気を悪くしてなければいいけど……。
「夢希」
「…え?」
名前を呼ばれて、一瞬どきりとしたあたしだったけど、



