15歳、今この瞬間を

小野さんは、おとなしそうに見えるけど良くしゃべる子で。

対するあたしはほとんどしゃべらず、黙って小野さんの話を聞いていた。

「……」

"遊びに来て"って…友達じゃないんだから。

佐久田くんや菊谷くんもそうだけど、小野さんまで……なんでみんなして、あたしの領域に入ってくるんだ。


《そういえば体育の時、小野さんとしゃべってなかった?》

あたしは自分の部屋に入ると、スマホを手に取った。

あれから…毎日何かしら、ラインでメールを送ってくる佐久田くん。

《悪い?》

あたしはそれに対して、返信する時もあればしない時もある。

《そうじゃないって。夢希にも女子の友達ができたんだなぁ〜って思ってさ》

「なにそれ」

ちょっと話しただけで、なんでそうなるんだ…別に小野さんと友達になった訳じゃないのに。

《嬉しかったんだ》

「…」