15歳、今この瞬間を

「…」

楽しかった、かーーーあたしはどうだったのかな…。

「だから、本当にごめんなさい!」

小野さんは、あたしに深々と頭を下げながら言った。

「いいよ、謝んないでよそんなことで」

こういうのに慣れていないあたしは、早く会話を終わらせたかった。

良くない噂がたつのは、あたしの言動にも原因があるんだから、ある意味仕方のないこと。

それに対してウダウダ言う気もない。

でも、少しだけ気になって、口を開いた。

「噂って、どんな?」

「…うん……」

明らかに躊躇っている小野さんは、下を向いていた。

「大丈夫だから、言って」

小野さんは、あたしの言葉を聞くと少しだけ安心したようで、小さな声で話し始めた。

「…ヤ、ヤンキーで、前の学校で悪さばっかりしてたとか、」

「とか?」

「……堕(おろ)したことが、あるとか」

「……」

あたしの外見と愛想のなさは、みんなからそんな風に見えるのか。