15歳、今この瞬間を

あとのメンバーの女子2人を見ると、2人で楽しそうにタラタラ練習をしていた。

あたしは、少しだけ息を吸い込むと、

「早く上手くなんて、考えないで」

そう小野さんに伝えた。

「え…」

小野さんは面食らったみたいに目をぱちくりさせながら、それでもその目を逸らさない。

「なに?」

あたしも跳ぶのをやめて、小野さんを見た。

「ありがとう!やっと話してくれたね!」

そう言った小野さんは、かわいらしい笑顔をしていた。

「…!」

そんな小野さんに、あたしも面食らったのは言うまでもなく。

確かにあたしは必要以上に話したりしない…別にみんなと関わりたいとも思っていないから。

「わたし、じゃんけんに負けて縄跳びリレーになっちゃったんだけど、井上さんが教えてくれたら百人力だよ」

「小野さん……」

でももう少しくらい、話した方がいいのかな。