15歳、今この瞬間を

つまんないこと言わないでよ、運動は一生懸命やるから楽しめるものなのに。

「……」

むすっとしながら男子の方を見ると、もう練習を始めていて、なかなかいい走りをしているのが目に入ってきた。

あたしは、ボサっとしているこの時間がもったいなくて、ひとりで縄跳びを始めた。

「い、井上さんって、運動得意そうだよね」

「…」

少し遠慮がちに、小野さんが話しかけてきた。

「わたしなんか全然ダメで…ドンくさいっていうか、本当にダメで」

そうして小野さんも、苦笑いをしながら縄跳びを跳び始めた。

「……」

あたしの縄に、小野さんの縄が当たりそうになって、あたしは跳びながら少しずれた。

「だから井上さんが羨まし……あ…ッ!」

あっという間に足が縄に引っかかって、動きを止めた小野さん。

「え、えへ…」

恥ずかしそうな表情をしながら、小野さんはあたしが跳ぶのを見ていた。