15歳、今この瞬間を

練習してどうにかなるならもうなっているーー思うに小野さんは、かなりの運動オンチなんだろう。

それに加えて必要最小限しか話さないあたしと、ダラダラと適当にやっているように見える女子が2人、チームワークなんてあったもんじゃない。

あとは男子も4人いて、先に男子が走り後半に女子が走る、合わせて8人のリレーだ。

よりによってあたしは、じゃんけんに負けてアンカーになってしまった。

「髪の毛ボサボサになりたくないけど、とりあえず練習するぅ?」

ヤル気のなさそうな女子のひとりが、あたしと小野さんの方を見て言った。

「…」

髪の毛ボサボサになるのが嫌なら、小野さんみたいにちゃんと縛ればいいのに。

「うん、練習しよ!縄跳びの受け渡しとか、色々難しいよね。」

髪の毛をふたつに分けてきちんと縛っている小野さんが、にっこり笑顔で答えていた。

「そんな一生懸命やらなくてもいいよ。テキトーに楽しめればさ。ね、小野さん。」

「う、うん…」