15歳、今この瞬間を

そうして、全てを見透かされてしまいそうでーーー…。



「それではこれから、各種目にわかれて練習するように!」

体育の先生が声を張り上げ、各クラスの担任が指示を出していた。

体育祭まであと1週間、今日は3年生全員が集まっている。

さっきまでは全体の動きの練習をしていたけど、これから種目別の練習に入る。

体育祭も近いということで、個人種目ではなくてチームで競う種目の練習をやるように言ってたから、あたしは…縄跳びリレーか。

「…ふう」

あたしは軽くため息をついてから、斜め後ろにいる子をチラ見した。

名前は…確か、小野さんだっけ。

転校ばかりしている割には、いつまでたっても顔と名前を覚えるのが苦手なあたしだった。

いや、転校ばかりしているから、覚える気がないのだろうな。

そのあたしの前を走るのが彼女なんだけど…イマイチうまくいかない。