15歳、今この瞬間を

《明日がんばろーな!おやすみ》

夜、ちょうど寝ようとしたタイミングで、佐久田くんからラインがきた。

《おやすみ》

昨日シカトしたからって訳でもないけど、あたしは一言だけ返事をしてから目を閉じたーー。



「夢希ーっ!おはよーっす!」

月曜日、机に突っ伏しているあたしの肩を、バシバシと叩いてくるヤツがいた。

「……」

あたしにこんなことをするのは、佐久田くんしかいない。

「昨日とかサンキューな。テスト頑張ろうぜ」

当然不機嫌なあたしだけど、そんなことお構いなしといった風な佐久田くんの笑顔に、返す言葉を失う。

「夢希おはよ。こわい顔して、またロウに何か言われたの?」

あぁ、いつも優しい風を連れてくる菊谷くんが、となりの席だったらまだ良かったのに。

「今日はオレ何もしてねーって。なぁ夢希?」

背中バシバシ叩いてるでしょ、何もしてないってなんだよ。