15歳、今この瞬間を

「あ…」

不思議とあたしでも解けてしまう問題は、昼間菊谷くんに教えてもらった内容とよく似ていたから。

もちろん教科書や辞書を使ったりもしたけど、それはごくわずかの問題に対してだけだった。

「へへ…」

やればできるじゃん、あたしでも。

でもスマホの画面を見て、やり始めてから2時間も経過したことを知り、ふーっと大きく息を吐く。

それなのにあたしは、全然疲れていなかった。

心地よい風に吹かれているみたいに、爽やかな気分だった。

このまま眠りにつけたら楽しい夢でも見られそうーーーガラにもなくそんなことを考えていたあたしのスマホが、ブルブルと震えていた。

《もう寝た?英語のヤマプリントやった?オレ8問目で苦戦中……解けてたら教えて》

佐久田くんからだった。

「8問目……」

英語のヤマプリントを見ると、それは並べ替えて文章を作る文法の問題だった。