15歳、今この瞬間を

《オレはこれからリョウのヤマプリントやるわ〜》

中間テストは月曜日にある。

この学校は、その5教科を1日でやってしまうとのことだから大変だ。

まぁあたしは成績なんてあまり気にしちゃいないし、親もうるさく言わないし。

とりあえず高校生になって…そのうちまたお父さんの転勤に付き合わされて……それの繰り返しなのだろう。

早く大人になって働いて自立したいーーーそうすれば、振り回されずに済むのだから。

《夢希もがんばってな〜!》

「……」

スマホに映し出されている時刻は20時40分、寝るにはまだ早い。

少しくらい……テスト勉強やっておこうかな。

あたしは、机の上に無造作に置かれたヤマプリントに目を通した。

菊谷くんのヤマはよく当たると佐久田くんが言っていた…それに菊谷くんの教え方は、すごくわかりやすかったし、きっとあたしとは違って賢いんだろうな。

あたしはヤマプリントの中から、前の学校より進んでいる数学と英語をやる事にした。