15歳、今この瞬間を

転校する度に自己紹介をさせられ、珍しがられ、それが嫌で嫌で反発するようになってーーー。

ひねくれていただけの、あたし。

「ありがとう…だなんて、」

あたしには、もったいない。

「ほらほら夢希ちゃん、泣いてたらいい顔できないよ?」

「あはは……そうだね…」

泣くなんてーーーそう思っていたあたしだったのに……。

こういう涙は、悪くないもんだと思った。


「あ、そろそろグラウンドに行かなきゃね」

ひとりの女子の言葉に、まだ残っているクラスメイトが反応する。

もう半分以上はグラウンドに行ったようで、生徒の少なさに教室内は少し寂しい雰囲気だった。

「…」

ふと、男子の輪の中にいるロウと目が合って……やっぱりあたしの胸はとくんと鳴ってしまうんだ。

そのロウが、こっちに、歩いて…来た。

「夢希が、作ったんだからな」

「えーー」

すれ違いざまにそれだけ言うと、ロウは教室から出て行ってしまった。