15歳、今この瞬間を

開始早々から、すすり泣く声が体育館に充満していた。

校長先生や他の先生、それから来賓の人の話がダラダラと続くこの時間に、何を泣くことがあるのだろう。

やっぱりそれが、3年間分の想いというやつなんだろうか……あたしには、それがないから分からなかった。

転校転校で、覚えて1年も経たない校歌だって、歌詞を忘れることがよくあるくらいなのだから。


教室に戻ると、女子たちは肩を寄せ合って涙していた。

その光景に少し羨ましいと思いながらも、輪の中に入れないあたしは、ひとまず自分の席についた。

「夢希、卒業おめでとう」

「あは…それはリョウくんもでしょ?」

ひとり席に着くあたしのところに、笑顔のリョウくんがやってきた。

「ああ、そうだな(笑)」

それはまるで、爽やかな風が吹くようにーーー出会った頃と変わらない笑顔だった。

ただ、出会った頃と違うところもある。

あたしたちが彼氏彼女の関係にあることと、そうでありながらお互いの気持ちは別のところにあるということ。