「オレなら中に着込んでるから平気。学ランって意外とあったかいし」
そう言いながらスルスルとマフラーをほどいて、あたしの首に巻いてくれた瞬間ーー、
「……」
左頬の上の方に感じた…少し冷たい感触。
「夢希……」
冷たいのにあったかくて…切なくなる。
思わず涙が出そうになるそれはーーロウからのキスだった。
「……」
「…オレには無理だ。ごめん、行こっか」
吐く息が、空気を白く染めていた。
あたしたちは、来た道を急ぐでもなく戻り、電車に乗った。
"オレには無理"って……なんのこと?
さっきのキスに、意味がないなんて思いたくなかった。
"だからオレには、夢も希望も…要らない。夢希に会うまでは、そう思ってた……"
「ロウ」
駅に着いて家までの道を歩く途中、あたしは穏やかに話しかけた。
「ロウの話で…リョウくんの気持ちも、よくわかったの」
「夢希……」
ロウは、申し訳なさそうな顔をあたしに向けた。
そう言いながらスルスルとマフラーをほどいて、あたしの首に巻いてくれた瞬間ーー、
「……」
左頬の上の方に感じた…少し冷たい感触。
「夢希……」
冷たいのにあったかくて…切なくなる。
思わず涙が出そうになるそれはーーロウからのキスだった。
「……」
「…オレには無理だ。ごめん、行こっか」
吐く息が、空気を白く染めていた。
あたしたちは、来た道を急ぐでもなく戻り、電車に乗った。
"オレには無理"って……なんのこと?
さっきのキスに、意味がないなんて思いたくなかった。
"だからオレには、夢も希望も…要らない。夢希に会うまでは、そう思ってた……"
「ロウ」
駅に着いて家までの道を歩く途中、あたしは穏やかに話しかけた。
「ロウの話で…リョウくんの気持ちも、よくわかったの」
「夢希……」
ロウは、申し訳なさそうな顔をあたしに向けた。



