「そんなこと、ない…」
ありさちゃんは、2人からとても愛されていたーー。
それはもう、たまらなく大好きで、絶対に失いたくない存在だったに違いない。
とても、愛(かな)しい想いーーー。
「ロウもリョウくんも、ありさちゃんのために一生懸命だったんだよね…だからロウは、最低なんかじゃないよ……!」
結果としてそうなってしまっただけーーなんて思えるのは、あたしが当事者じゃないからだろう。
「…ありがとな。そろそろ帰ろっか」
「……」
頷いたあたしはもうそれ以上言えなくて、ロウについて水族館から出た。
ロウも、これ以上話すつもりもないのだろうと、思った。
「寒……っ」
外は海風の影響で風が強く、とても寒かった。
名古屋港水族館という名前がついているくらいだから、海が近いのだろう。
「オレのマフラー使う?」
「え、いいよ、あたしがマフラー借りたら、ロウが寒くなっちゃうじゃん」
実は気になっていた、ロウは学ランの上に、薄いウインドブレーカーとマフラーを巻いているだけだったんだ。
ありさちゃんは、2人からとても愛されていたーー。
それはもう、たまらなく大好きで、絶対に失いたくない存在だったに違いない。
とても、愛(かな)しい想いーーー。
「ロウもリョウくんも、ありさちゃんのために一生懸命だったんだよね…だからロウは、最低なんかじゃないよ……!」
結果としてそうなってしまっただけーーなんて思えるのは、あたしが当事者じゃないからだろう。
「…ありがとな。そろそろ帰ろっか」
「……」
頷いたあたしはもうそれ以上言えなくて、ロウについて水族館から出た。
ロウも、これ以上話すつもりもないのだろうと、思った。
「寒……っ」
外は海風の影響で風が強く、とても寒かった。
名古屋港水族館という名前がついているくらいだから、海が近いのだろう。
「オレのマフラー使う?」
「え、いいよ、あたしがマフラー借りたら、ロウが寒くなっちゃうじゃん」
実は気になっていた、ロウは学ランの上に、薄いウインドブレーカーとマフラーを巻いているだけだったんだ。



