ロウから見せられたのは、名古屋港水族館のチケットだった。
「テストが終わったら、行こうか」
「ほんと⁈」
言ってから恥ずかしくなって横を向いたあたしーーだって楽しみにしてたみたいじゃん。
「良かった、喜んでくれて」
「そんなんじゃ…!」
あははと笑いながらチケットをしまうロウの横顔を、くやしいけど見ているだけで身体が温かくなっていく。
家までの30分の道のりは、あっという間だった。
「雨降らなくて良かったな」
「ありがと…。じゃあ、またーー」
マンションのエントランスのセキュリティを解除しようとしたあたしに、
「エレベーターに乗るまで、一緒にいてもいい?」
「…」
そう照れたように言ったロウが、なんだかいつもと違って見えて、あたしは黙って頷いた。
エントランスを抜けてエレベーターが見えてきたところで、ここまでロウと一緒に来たことを後悔したあたし。
エレベーターを待っているあの後ろ姿は…お母さんだ。
「テストが終わったら、行こうか」
「ほんと⁈」
言ってから恥ずかしくなって横を向いたあたしーーだって楽しみにしてたみたいじゃん。
「良かった、喜んでくれて」
「そんなんじゃ…!」
あははと笑いながらチケットをしまうロウの横顔を、くやしいけど見ているだけで身体が温かくなっていく。
家までの30分の道のりは、あっという間だった。
「雨降らなくて良かったな」
「ありがと…。じゃあ、またーー」
マンションのエントランスのセキュリティを解除しようとしたあたしに、
「エレベーターに乗るまで、一緒にいてもいい?」
「…」
そう照れたように言ったロウが、なんだかいつもと違って見えて、あたしは黙って頷いた。
エントランスを抜けてエレベーターが見えてきたところで、ここまでロウと一緒に来たことを後悔したあたし。
エレベーターを待っているあの後ろ姿は…お母さんだ。



