15歳、今この瞬間を

もうわかっているーーー……。


あたしの中にいるのはーーロウなんだ。

だから、リョウくんとはハッキリさせなきゃいけない。

想うのは、ロウのことばかりだから。

こんなにも涙が出て止まらないのは、良くないことだって解ってる。

リョウくんは今でもありさちゃんのことが好きで、あたしはそのありさちゃんに似ているから好きだと言われたんじゃないかーーーそんな風にリョウくんの気持ちを疑っていたあたしの気持ちが、実は本物じゃなかったなんて…笑えないオチだ。

「ふ……」

それなのに、笑えてくるから不思議だ。

きっとお互いが必要としている人は、違う。

少なくともあたしは、それに気が付いてしまった。

あたたかな笑顔に、会いたい。

「…」

ぼんやりと見上げた空は、まだ曇っていた。

でもあたしには、その先にある青空が見えた気がして、泣きながら、無意識に口角が上がろうとしていた。

涙が止まる頃には、帰り道もあと半分というところまできていて、あたしの手はポケットの中でスマホを探していた。