「ブレスレットなら…今朝ゴムが切れちゃったから、家にあるよ」
昨日から考えてようやく導きだしたウソの理由で、いかにもという風を装う。
リョウくんは、あたしと左手首を交互に見ていた。
「ま、毎日…してたから、」
「そっか、ゴムが弱っていたんだな」
リョウくんが何とか納得してくれて、ほっと胸をなでおろす。
「も〜、びっくりしたよー…」
「ごめんごめん」
もうリョウくんは、いつものリョウくんに戻ったように見えたから、
「あたし、そろそろ帰ろうかな。リョウくんのヤマプリントで自主勉強するよ!」
あたしも、出来るだけ普段通りを演じた。
「じゃあ気を付けて帰れよ」
「うん」
リョウくんはいつも、あたしが帰るのを止めたりしない。
あたしはいつも通り玄関のところで見送られて、リョウくんの家から一歩外に出た。
外は寒いはずなのに、あたしの身体はまだぽかぽかとしていた。
昨日から考えてようやく導きだしたウソの理由で、いかにもという風を装う。
リョウくんは、あたしと左手首を交互に見ていた。
「ま、毎日…してたから、」
「そっか、ゴムが弱っていたんだな」
リョウくんが何とか納得してくれて、ほっと胸をなでおろす。
「も〜、びっくりしたよー…」
「ごめんごめん」
もうリョウくんは、いつものリョウくんに戻ったように見えたから、
「あたし、そろそろ帰ろうかな。リョウくんのヤマプリントで自主勉強するよ!」
あたしも、出来るだけ普段通りを演じた。
「じゃあ気を付けて帰れよ」
「うん」
リョウくんはいつも、あたしが帰るのを止めたりしない。
あたしはいつも通り玄関のところで見送られて、リョウくんの家から一歩外に出た。
外は寒いはずなのに、あたしの身体はまだぽかぽかとしていた。



