15歳、今この瞬間を

それでも、あぁ…なんでかな、あたしを占領するロウのあたたかな笑顔に、ドキドキしながらも癒されるんだ。

いつもあたしのことを気にかけてくれている、あのあたたかな笑顔に。


もし本当にそうなら嬉しい…そう思うあたしがここにいた。

「夢希どうした?顔が赤いぞ」

「あ、エアコンのおかげかな…なんだかポカポカしてきちゃった」

「そうか?じゃあエアコン切ろうか」

リョウくんの話を聞きながら腕まくりをしていたらーー、


「どうした⁈」

「わ……!」

すごい勢いで、左腕を掴まれた。

「俺がプレゼントしたブレスレットはどうした?いつもしてただろ?」

「…」

リョウくんの、真剣な、冷たいとも感じ取れる表情が、恐かった。

そして思い出した、ロウの言葉。

"リョウには気を許すな"


「離して…!」

全力で、リョウくんの手を振りほどいた。