15歳、今この瞬間を

右手で首の後ろを触る癖ならーーあたしも、知ってる……。

夏祭り、文化発表会、それから同じ日に水族館に誘われた時もーー。

何度か、見たことがあるから。

でも、どういう時にするのかなんて…考えたことなかった。

「それ、本当…?」

ロウの、好きな子の話題になるとでる癖ーーー……。

「おう。だから俺、これまでもけっこうロウの好きな子を当ててきたんだ」

リョウくんの得意げな表情が、信憑性の高さを物語る。

「ふ、ふーん…そうなんだ。それって、好きな子と話してる時にも、出たりするの…かな」

こんなこと聞いて、どうするのよ。

熱い……。

「どうだろう?ロウのことだから、多分それもあり得るな」

どくんどくんと、身体の中が熱い。

その熱いなにかが、身体の中から飛び出してきそうだった。

それじゃあロウは、あたしのことを……そうなの?

いやだあたし、うぬぼれないでよ…意味もなく恥ずかしくなる。