15歳、今この瞬間を

「いいよ、大丈夫。それより夢希が迷惑だよな、知りもしない子に似てる似てるなんて言われてさ」

びっくりした……すごく不機嫌そうに見えたのに、あたしをフォローするなんて。

でも、ありさちゃんのことを"知りもしない子"って……仲良かっただろうに、何で名前で呼ばないんだろう。

やっぱり……何かあるのかな。

「……」

何て言ったらいいのかわからなくて、流れる沈黙の中、あたしはぬるくなった紅茶を飲み干した。

「あ、"ロウといえば"ネタ、俺もあるけど(笑)?」

「…」

そうして、話題がすり替わっていった。

「なになにー?」

リョウくんの機嫌が戻ったところで、あたしはこの話題に乗ることにした。

「本人気付いてないから内緒な。ロウのやつ、変な癖があってさー」

癖ーーーもしかして、あれのことかな。

「好きな子の話題になると、右手で首の後ろを触るんだ。だから、その癖を知ってる俺にはバレバレなんだよな。笑えね?」

「え……」