あれは……ありさちゃんのことを今も変わらず想っている、ということなんだろうか。

あたしは、ロウがどういう意味で言ったのかわからなければ、それを聞くこともできないでいた。


「またね小野ちゃん、次は是非泊まりに来てちょうだいね!」

18時ーー結局、たいして勉強もせずおしゃべりに花を咲かせただけの小野さんを、玄関でお母さんと一緒に見送っていた。

「はぁい!じゃあね夢希ちゃん」

「うん、気をつけて」

「あら夢希ちゃん、エレベーターまで見送ってあげたら?」

そういうものなの?

久しぶりにできた友達に対してどうするのが自然か、まだわからない時があった。

「……」

面倒な気持ちを隠せないまま、あたしは靴に足を入れた。

「また一緒に勉強しようね!」

「うん…」

エレベーター前であたしは軽く手をあげて、今度こそ小野さんを見送った。

マンションの廊下は風が吹き抜けて寒いーーーあたしは小走りで家に戻った。

もう、11月も終わる。