「リョウ……夢希のこと、本当に好きなのか?」

オレがひとつの疑問を投げかけた途端、

「おまえに俺の何がわかる⁈ありさを死なせたおまえに!!」

怒鳴りながら、リョウはオレの胸ぐらを掴んできた。

「わかるさ!わかるから……!」

オレは、リョウから目をそらさなかった。

わかるから……オレは、夢希を諦めたんだ。

「その目はなんなんだよ…!おまえにわかってたまるかよ!」

「そうだな……」

リョウのありさを想う気持ち、それからオレを恨む気持ち、両方ともきっと計り知れないんだろうな。

「ロウ、夢希に余計なこと言うなよな」

最後にそう言ったリョウはオレの胸ぐらから雑に手を離すと、机をひとつ蹴っ飛ばして教室から出て行った。

めずらしく荒れたな…。

リョウは、リョウの想いを、相当溜め込んでいるのかもしれない。

「……」