15歳、今この瞬間を

急に涼しくなったあたしは、静かにロウの腕から手を離した。

なんでわざわざ、閉会式どうする?なんて聞いてきたんだか…期待させないでよ。

「……」


期待ーーー、期待……したの?

なにを?



「閉会式なんか…別にどうでもいいけどな」

「え……?」

風が、葉を揺らして…ザワザワと音を立てていた。

でも本当は、あたしの心の中から聞こえる音だったのかもしれない。

「でも行かなきゃな。後でまっすーに怒られるわ」

そう言った後で空を見ながら、ロウは笑ったーー。

「…」

なんであたしも…どうでもいい、って言わなかったんだろう…。

そんな小さな後悔を、あたしはしばらく拭えないでいた。


「なぁ夢希」

いったん校舎を出て体育館へ続く通路を歩いていると、ロウの声が穏やかに触れた。