「…えっ」
突然名前を呼ばれて我にかえると、目の前には佐久田くんの顔があった。
「どうした?」
「ううん、何でもない……」
なんでもない……
「さっきの……気にすんなよな。夢希には関係ないからさ」
……訳ない。
苦笑いなんか、しないでよ。
「あたしって、そんなにありさちゃんに似てる…?」
「…」
もうすぐ閉会式が始まるのだろう…いつの間にか人気(ひとけ)はなくなり、あたしの声は開け放たれた窓から入ってくる風に溶けて、どこまでも流れていくようだった。
「夢希、」
"夢希には関係ない"ってなに?
運命共同体とかなんとか勝手なこと言っておいて、ちっとも共同体じゃないじゃん。
そうやってまた首の後ろを触ってさ、ごまかしたい時のポーズみたいにしか見えないし。
あたしは、ありさちゃんの代わり……?
突然名前を呼ばれて我にかえると、目の前には佐久田くんの顔があった。
「どうした?」
「ううん、何でもない……」
なんでもない……
「さっきの……気にすんなよな。夢希には関係ないからさ」
……訳ない。
苦笑いなんか、しないでよ。
「あたしって、そんなにありさちゃんに似てる…?」
「…」
もうすぐ閉会式が始まるのだろう…いつの間にか人気(ひとけ)はなくなり、あたしの声は開け放たれた窓から入ってくる風に溶けて、どこまでも流れていくようだった。
「夢希、」
"夢希には関係ない"ってなに?
運命共同体とかなんとか勝手なこと言っておいて、ちっとも共同体じゃないじゃん。
そうやってまた首の後ろを触ってさ、ごまかしたい時のポーズみたいにしか見えないし。
あたしは、ありさちゃんの代わり……?



