15歳、今この瞬間を

その言葉に、三浦さんの表情が少しだけど緩んだような気がした。

「わ…わかってんじゃん」

「自覚はあるつもりだ。…オレらもう行くけどいい?」

「……」

三浦さんが何も答えなかったのが逆に答えとなって、教室の外へと歩き出した佐久田くん。

それを追うあたしは、どんな顔をしたらいいのかわからなかった。


複雑な心境のまま、残りのクラスの作品を見て回り何とかメモをとるも、頭の中はさっきのことでいっぱいだった。

ありさちゃんは、佐久田くんのせいで…死んだ。

とは言っても、まさか殺したわけじゃないだろうに……どういうことなんだろう。

でも、少しだけわかったこともある。

ありさちゃんという子は死んでしまっていて……それが、理由はわからないけど佐久田くんのせいだということ。

だからリョウくんは、あたしがありさちゃんの話題をだした時、さらりと交わすだけだったんだ。

きっと、触れて欲しくなかったーーー詮索するつもりはないけど、思い出したくない「なにか」があるのかもしれない。

リョウくん、佐久田くん、ありさちゃん……3人は、仲良しだったのかな。