「あ…ごめん」
驚かせてしまったと思い、すぐにその手を引っ込めたあたしだったけど、
「いや、オレの方こそ…なんか、集中しすぎてたわ」
「…」
と言われ、引き込まれていたのがあたしだけじゃないとわかって、少し安心したのだった。
「キレイだな…」
佐久田くんが、ぽつりと言った。
「ね……」
それは、教室中に広がる、青い海の世界を描いた絵だった。
あたしたちはその海で泳ぐイルカを、少しの間無言で見つめていた。
「あたし、イルカと泳ぎたくて…」
「え……」
気が付けばあたしは、誰にも話したことのない想いを口にしていた。
それは、相手が佐久田くんだったからか、教室にあたしたち2人しかいなかったからなのか……。
「小さな頃に行った水族館で、初めてイルカを見た時から夢なの…」
ひとり言みたいに小さく言ったあと、急にあたしの視界が暗くなっていった。
驚かせてしまったと思い、すぐにその手を引っ込めたあたしだったけど、
「いや、オレの方こそ…なんか、集中しすぎてたわ」
「…」
と言われ、引き込まれていたのがあたしだけじゃないとわかって、少し安心したのだった。
「キレイだな…」
佐久田くんが、ぽつりと言った。
「ね……」
それは、教室中に広がる、青い海の世界を描いた絵だった。
あたしたちはその海で泳ぐイルカを、少しの間無言で見つめていた。
「あたし、イルカと泳ぎたくて…」
「え……」
気が付けばあたしは、誰にも話したことのない想いを口にしていた。
それは、相手が佐久田くんだったからか、教室にあたしたち2人しかいなかったからなのか……。
「小さな頃に行った水族館で、初めてイルカを見た時から夢なの…」
ひとり言みたいに小さく言ったあと、急にあたしの視界が暗くなっていった。



