15歳、今この瞬間を

「そんなんじゃないんだ……!」

「…⁈」

そんなに、力を込めて言わなくても……。

「び、びっくりしたぁ…」

「あ…ごめん、忘れていいから。…行こっか」

目を丸くして驚いたたあたしに、佐久田くんは伏し目がちに言った。

「……」

無理だよ…あんな風に言われたら、忘れられないよ。

「それにしても、オレとリョウがケンカしてるだなんて笑えるわ。男子は女子みたいに、仲良しこよしでペチャクチャしゃべったりしないし(笑)」

歩き始めた佐久田くんは、もういつも通りの佐久田くんだった。

「あ、夢希はどっちかというと男子寄りか(笑)?」

「…ほっといてよ」

「あはは。てかケンカしてたら、リョウがオレに頼み事なんかしないだろ?夢希と一緒にまわってくれなんてさ」

「…」

まぁ、確かにそうなんだけど……なんか違う気がする。

2人の間には、何かがあるような気がして…。