3年生の教室に向かう途中、渡り廊下から外を見ると、中庭が騒ぐ生徒たちで賑やかだった。
「みんなもう終わったのかなー」
「そうじゃね?」
「じゃあ、あたしたちも急がなきゃね。…あ、中庭に咲いてるのコスモスかな」
あたしは、ピンク色がかわいい中庭のコスモスを見たまま言った。
「……夢希」
あたしの明るいトーンの声とは逆に、曇り空のような声が背中にあたり、振り返る。
「ごめんごめん、早く行こう」
「そうじゃないんだ。夢希……リョウには、その…気を許すなよ」
「え……」
あたしの声色も、だんだんと曇っていく。
「何でそんなこと言うの…?意味わかんない」
「……」
だっておかしいでしょ、夏休みに話した時は"いいやつ"だって言ってたのに。
気を許すなーーー?
「あ、もしかしてリョウくんとケンカとかしてるの?席が前後なのに全然しゃべってないじゃん」
あたしは、ただの思いつきで言っただけだったのに、
「みんなもう終わったのかなー」
「そうじゃね?」
「じゃあ、あたしたちも急がなきゃね。…あ、中庭に咲いてるのコスモスかな」
あたしは、ピンク色がかわいい中庭のコスモスを見たまま言った。
「……夢希」
あたしの明るいトーンの声とは逆に、曇り空のような声が背中にあたり、振り返る。
「ごめんごめん、早く行こう」
「そうじゃないんだ。夢希……リョウには、その…気を許すなよ」
「え……」
あたしの声色も、だんだんと曇っていく。
「何でそんなこと言うの…?意味わかんない」
「……」
だっておかしいでしょ、夏休みに話した時は"いいやつ"だって言ってたのに。
気を許すなーーー?
「あ、もしかしてリョウくんとケンカとかしてるの?席が前後なのに全然しゃべってないじゃん」
あたしは、ただの思いつきで言っただけだったのに、



