15歳、今この瞬間を

良く晴れた空のような朗(ほが)らかな笑顔に、何度となくあたしの心は軽くなった。


「佐……、………ロウ」

寝顔に向かって小さく呼んでみたその名前は、空に吸い込まれるように流れていって、窓からその空を見つめるあたしは、なぜだかとても愛おしい気持ちに包まれていた。

「…ん」

ゆっくりと、目が合う。

「ごめん、オレ寝ちゃってた…?起こしてくれれば良かった……て、夢希?」

それからひとつ、とくんと鳴ってーーーあたしの目の前にある佐久田くんの顔が、ぼんやりとして見えなくなっていった。

「大丈夫か?」

「え……」

こぼれ落ちたその雫は、きっとあたしの気持ちだった。

「夢希…?」

佐久田くんのあたしを心配するような瞳は、優しかった。

「…あたし」

あたしーーー?

あたしは、何を言うために口を開いたのだろう…。