「ちょっと整理をすると、半蔵さんは実は宇宙人で、
お仲間が迎えに来たついでに、地球を滅ぼそうとしている。こんな感じですか?」


「かぐや姫ならぬ、かぐやパグ?」


「オヤジギャグも聞き飽きたよ」


半蔵が肩をすくめる。


パグのくせに、肩をすくめる。


しかし全く違和感がない。


「とりあえず僕は戻って、騒動をおさめてくるよ」


「それなら僕も行こうじゃないか。飼い主として見過ごすわけにはいかない。礼儀としてまず僕に挨拶すべきじゃないか?それなりのお菓子を見繕ってだな」


「先生、論点がズレてます」


「いちいちうるさいよ。川村くん、君も行くんだよ」


「えっ⁉︎僕も?」


「宇宙人を撃退した立役者となれば、あそこの悪魔も見直すかもしれない」


「ていうか、ただ心細いだけじゃないですか?」


「君もなかなか見抜くようになったね」


「先生に鍛えられましたから」


「あと何人か仲間を募って、宇宙人を退治しようじゃないか‼︎」


「そうですね‼︎半蔵さんを守りましょう‼︎」


こうして僕と先生は、あの世から旅立つことになった。


今度こそ。


悲しい別れが待っているとも知らずに__。


「半蔵、どうしてパグになったの?」


「ブサカワは人間を驚くほど無防備にするから」


「__返す言葉もない」