「っっざけんなよ!!
誰の子だよ!!」

狭いカフェに自分の声が響いてまわりの客はみんな肩をすくめた。

「だか…ら、ナンパされてついて行っただけで…誰の子か、わ、分からないのよぉ」

ユカはずっと泣きながら同じ説明を繰り返してる。

だけどどうしても理解ができなかった。

なんで付き合って三年も経つのに、ほんの少しケンカして別れただけで他の男に抱かれるんの?

なんで20歳も過ぎてナンパなんかについて行くの?

なんで避妊しないの?
なんで?なんで?

なんでオレを裏切ったの?

できるだけ傷つける言葉を選んで口にした。
言われる度にユカは涙を流した。

まわりの客は興味深そうに聞いてる連中もいれば迷惑そうに眉をしかめる人もいた。

これ以上長居もできる雰囲気じゃなかった。
「…とりあえず胎ろすんだろ…」

一度消えたタバコに火をつけ直して言った。
一瞬お腹の子に悪いかなと思ったが、そう思う自分自身にまた腹がたった。

「…産む…」

ユカの答えは意外だった。

「は?なんで?ありえなくない?」

「…だって…お、お腹の子は悪くないじゃない…!」

言い返す言葉が浮かばなかった。

「じゃあ誰が悪いんだよ…」

もうお互い涙で濡れていた。


-それからしばらくしてユカは大学を退学して実家に帰ることにした-