リリアは少し慌てながら自分の唇に人差し指をおいた。 「しーーっ。ところで、マルス王子がどこにいるかご存知?」 するとその子は、口は閉じたものの、緊張しているのかあたふたしているばかりで全然口を開かない。 「レイ!!」 子どもの明るく大きな声が一瞬だけ響く。 さっきまで無口だったその子はやっと一言、言葉を発した。 「メ、メイ……」