っと、こんな呑気にしてる場合ではないわ! 「あ、あのですね、マルス王子。婚約のことなのですが……」 「あ、ドレスのことかい?大丈夫。心配はいらないよ。ちゃんと用意してあるからね。」 言いかけた言葉の先をマルスに遮られてしまう。 「ち、違うのです!あの、えっと………」 なぜこんなときに限って何も浮かんでこないのでしょう… すると、マルスはリリアを優しく抱きしめた。