「婚約者のことは、じっくり考えておいて。」 スレクは氷に包まれたリリアの部屋の扉を、静かに閉めた。 リリアはスレクからもらった紙に目を落とした。 …もし、私がこの方と婚約してしまったら………… お兄さまは一人になってしまう……。 そのまま婚約者の名前を目に映す。 『マル・スウェルトン』 って、マキュターの王子!?