「そろそろ一国の姫だという自覚をもったほうがいい。姫である限り、誰かと婚約しなければならないんだ。」 「なら、お兄さまはなぜ婚約しなかったのですか!?」 リリアは言ってから後悔した。 慌てて口を抑える。 「………わかりました」 一つ、小さなため息をついて言った。 スレクは手に持っていた紙をリリアに見せた。