リリアは静かにそう言うと、マルスの手を握って走った。 風を切って走っていく二人。 「ありがとう。本当にあり」 リリアの悲しそうな顔を見てしまったマルス。 マルスの言葉が風にもっていかれるように切れた。 12月9日。 音楽会当日。