リリアの手の甲に、雪を触るような優しいキスをする。 キスされたところがじわりと熱くなっていくのがわかった。 胸の奥に灯っている火が、徐々に熱くなっていく。 この温もりの名前を何というか。 まだ、リリアは知るよしもなかった。 白い息に交じりながら、言葉が発される。 「ごめんなさい。」