「顔が怖いよ、マルス王子。もうちょっと笑筋をやわらげたほうが」 「何が目的なんだ!」 低い声がその場に響く。 「あ、あの…マルス王子……」 戦争が始まるような空気の中、リリア口を開いた。 「ちょっと、苦しい……デス」 すぐにマルスがリリアを抱きしめていた左手を離す。 「ご、ごめん。大丈夫か?」