【完】俺がずっと、そばにいる。


四時間目のホームルームの時間は、今月末に予定している修学旅行の打ち合わせだった。


うちの学校の修学旅行先は毎年沖縄。この寒い時期でもむこうは暖かいらしい。


グループごとに分かれて、自由行動の行き先を相談して決める。


私たちのグループは全部で6人で、琴子とりっくん、そして玲二くんも一緒なので、すごく気楽だった。


メンバーは他に吹奏楽部所属の佐々木穂香(ささき ほのか)ちゃんと、あまり話したことはないけれどクラスで一番足が速いという噂の浅井健斗(あさい けんと)くんもいる。


「はい!それじゃあみんな、行きたいところをどんどんあげていってね~」


ムードメーカータイプの玲二くんが場を仕切ってくれる。


和やかな雰囲気の中でそれぞれみんな意見を出し合った。


「私、おいしいスイーツ食べに行きたいなぁ」


「沖縄そばの有名店とかもいいよね」


「ここ、めっちゃ景色いいじゃん!いい写真撮れそうでよくね?」


私もぼんやりとガイドブックを眺めながら考える。


すると、隣に座っていた琴子がふいに顔をじっと覗き込んできた。